
今回の旅の目的は、観光地を巡ることではなく、両親が長年憧れていた近鉄の観光特急「しまかぜ」に乗ることでした。その願いを叶えるために計画した、家族の小さな夢の旅です。
■ 「しまかぜ」ってどんな列車?
「しまかぜ」は、伊勢志摩へ向かう近鉄特急の中でも特別感のある列車です。全席が本革の電動リクライニングシートで、マッサージ機能まで付いているという豪華さ。中でも、1編成に数室しかない「個室」は予約開始とともに埋まってしまうほどの人気ですが、帰りの便で運良く「洋風個室」を取ることができました。
しまかぜの個室は、乗車日の1か月前から予約開始ですが、開始直後に売り切れてしまうほど人気があります。今回は旅行会社に依頼しましたが、行きの便は個室が取れず、第一希望の和室も満席でした。帰りの便でようやく第2希望の洋室個室を確保できました。また、個室には追加料金があり、自分で予約する場合と旅行会社経由では料金が異なります。
■ 誰にも気兼ねしない、贅沢なリビング空間
扉を閉めると家族だけの静かな時間が流れ始めます。周りの目を気にせず、靴を脱いで足を伸ばし、家で過ごしているような感覚でゆったりとくつろげます。高齢の父にとって、この「気兼ねなく過ごせる安心感」が、移動の疲れを一番癒してくれたようです。
鳥羽の海辺から見慣れた地元の景色へ変わっていく流れを眺めていると、「帰ってきたんだな」と実感が湧いてきます。父は多くを語りませんが、ほっとした表情で窓の外を見つめていました。約1時間半の乗車時間は本当に短く感じられて、「もう少し乗っていたかったね」と思うほど、心地よい時間でした。
■ 個室で楽しむ、ゆったりティータイム
「しまかぜ」にはカフェ車両があるのですが、個室ならそこまで移動しなくても、食事を部屋までデリバリーしてもらえます。
- お食事: 食堂自慢のメニューを、自分たちのペースで。
- ティータイム: ケーキと紅茶を囲みながら、お父さんの誕生日をお祝い。流れる車窓を眺めながら過ごすこの時間は、 とても贅沢で、心が穏やかになる時間でした。

■ 「移動」が最高の思い出になった日
当初はあちこち回るプランも考えていましたが、父の体力を考え、「列車の中で美味しいものを食べ、景色を眺めてゆったり過ごす」内容にシフトしました。詰め込むよりも、こうして父と一緒に同じ景色を眺めながら会話する時間こそが、今の私たちにぴったりの「親孝行」だったのだと思います。
車窓に流れる夕暮れの光を眺めながら、次は母も一緒にこの景色を見られますように――そんな願いを胸に、静かに名古屋へ向かいました。
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他にも日々の暮らしや美味しいものについて綴っています。